転職の決断──最後は必ず「自分で」決めましょう

転職の決断──最後は必ず「自分で」決めましょう

想定外の連続でも、納得できる選択をするために

転職活動をしていると、実にさまざまなことが起こります。
予定通りに進むことの方が、むしろ少ないかもしれません。
そう、「想定外」の連続です。

これは、転職活動が「自分ひとりで完結するものではない」からです。
企業という“相手”がいて、選考という“プロセス”があり、
その中で“人と人”が関わり合いながら進んでいく。
だからこそ、思い通りにいかないことも多く、
時には予想もしなかった展開が待っていることもあります。

しかし、想定外は決して「悪いこと」ばかりではありません。
むしろ、良い意味での想定外──嬉しい驚きや、思いがけないチャンス──も、
転職活動の中ではしばしば起こるのです。

想定外のオファー──「嬉しい悩み」が生まれる瞬間

先日、私がサポートさせていただいたある方の事例をご紹介します。

その方は、数か月間にわたって丁寧に転職活動を進め、
最終的に3社から内定を獲得されました。
その中で、最も自分に合っていると感じた1社に絞り込み、
いよいよ入社承諾を出そうとしていた、その矢先のことです。

なんと、もともと第1志望だった企業から、
個人的にオファーの連絡が届いたのです。

「えっ、今さら?」
「もう気持ちは固まっていたのに…」
「でも、やっぱり行きたかった会社だし…」

こうした葛藤が、一気に押し寄せてきました。

「どちらを選ぶべきか」──正解は、ない

このような状況に直面したとき、誰もが迷います。
そして、よく聞かれるのが「どちらを選ぶべきでしょうか?」という質問です。

しかし、正直に申し上げると──
**この問いに“正解”はありません。**

どちらを選んでも、良いこともあれば、悪いこともある。
どちらを選んでも、「あっちを選んでいたら…」という思いは、
ふとした瞬間に湧いてくるものです。

だからこそ、大切なのは「どちらが正解か」ではなく、
**「自分で決断したかどうか」**なのです。

決断を「他人任せ」にしないということ

転職活動では、家族や友人、同僚、転職エージェントなど、
多くの人がアドバイスをくれます。
それ自体はとてもありがたいことですし、
客観的な視点を得るうえでも大切なプロセスです。

しかし、最終的な決断を「誰かの意見に委ねる」ことは、
後悔の種になりかねません。

なぜなら、何かうまくいかなかったときに、
「○○さんがああ言ったから…」と、
自分の外に責任を求めてしまうからです。

逆に、自分で決断したことであれば、
たとえ困難があっても「自分で選んだ道だから」と、
前を向いて進むことができます。

決断を「正解」にする力は、自分の中にある

「どちらを選んでも、良いことも悪いこともある」と言いました。
それはつまり、**選んだ道を“正解にする”のは、自分自身の行動次第**だということです。

たとえば、迷った末に選んだ会社で、
最初は思っていたよりも環境が厳しかったとします。
でも、そこで自分なりに工夫し、努力し、
信頼を築いていくことで、
「この会社に来てよかった」と思える日が、必ずやってきます。

逆に、どんなに条件が良くても、
「なんとなく選んだ」会社では、
ちょっとした壁にぶつかったときに、
「やっぱり違ったかも…」と感じやすくなります。

だからこそ、**自分で決めることが、何よりも大切**なのです。

決断のための「軸」を持つ

では、どうすれば納得のいく決断ができるのでしょうか。
そのために必要なのが、「自分なりの軸」を持つことです。

以下のような問いを、自分に投げかけてみてください。

- 自分は、どんな働き方をしたいのか?
- どんな価値観を大切にしているのか?
- どんな人たちと働きたいのか?
- どんな社会的意義を感じられる仕事をしたいのか?
- 5年後、10年後、どんな自分でいたいのか?

これらの問いに対する答えが、
あなたの「判断軸」となります。

その軸に照らして、どちらの選択肢がよりフィットするか。
それを考えることで、他人の意見に流されず、
自分の価値観に基づいた決断ができるようになります。

転職は「人生の選択」である

転職は、単なる「仕事の変更」ではありません。
それは、**人生の選択**であり、
これからの生き方をどうデザインするかという、
極めて個人的で、重要な決断です。

だからこそ、他人の評価や世間の常識に縛られず、
「自分にとっての正解」を見つけることが大切です。

そして、その正解は、
「選んだ瞬間」にはまだ存在しません。
選んだ後に、自分の行動と覚悟によって、
少しずつ形作られていくものなのです。

最後に──「自分で決めた道」は、強い

転職活動は、時に不安で、時に迷い、
そして時に「想定外」に振り回されるものです。

でも、どんなに迷っても、
どんなに悩んでも、
最後の最後は──

**「自分で決めた道」こそが、あなたを強くします。**

自分で決めたからこそ、
その道に責任を持てる。
その道を信じられる。
そして、その道を「正解」にできる。

転職活動のゴールは、
「内定をもらうこと」ではありません。
「納得して、自分の人生を前に進めること」です。

そのために、どうか、
最後の決断だけは、他人に委ねず、
あなた自身の手で、しっかりと握ってください。

ではまた。

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