2社から内定──綺麗なオフィスと古い事務所、どちらを選ぶべきか

2社から内定──綺麗なオフィスと古い事務所、どちらを選ぶべきか
転職の選択に「正解」はない。自分の価値観で選び、正解にしていく力を
転職活動の終盤、複数の企業から内定を獲得するという状況は、嬉しい悩みのひとつです。
しかし、選択肢が増えるほど、迷いも深くなるのが人間というもの。
「どちらが正解なのか?」
「後悔しない選択とは?」
そんな問いに向き合う瞬間が、転職活動の中で最も重要な局面かもしれません。
今回は、実際に私がサポートさせていただいたAさんの事例をもとに、
転職における「選択の本質」について考えてみたいと思います。
Aさんのケース──2社からの内定
Aさんは、数か月にわたる転職活動の末、2社から内定を獲得されました。
それぞれの企業は、以下のような特徴を持っていました。
B社:地元で有名な中堅企業
- 従業員数:数百人
- 社屋:数年前に建て替えられた綺麗なオフィス
- 社名:地元では誰もが知っている知名度の高い企業
- 初年度年収:C社とほぼ同じ
C社:老舗の中小企業
- 従業員数:数十人
- 社屋:築年数が古く、初見では少し驚くほどの外観
- 社名:地元でもあまり知られていない
- 経営状態:非常に安定しており、働きやすい環境
- 初年度年収:B社とほぼ同じ
この2社の比較は、まさに「見た目と中身」「ブランドと実質」の対比でした。
表面的な魅力と、内面的なフィット感
B社は、誰もが知っている企業であり、社屋も美しく、いわゆる「見栄えの良い会社」です。
一方、C社は、見た目こそ古いものの、経営は安定しており、働く環境としては非常に良好です。
このような選択肢に直面したとき、多くの人がまず気にするのは「外的要素」です。
- オフィスの綺麗さ
- 社名の知名度
- 親や友人に説明しやすいかどうか
- 世間体としてどう見られるか
しかし、転職の本質は「自分がどこで、どのように働きたいか」にあります。
つまり、**自分の価値観と、企業の文化や働き方がどれだけフィットするか**が、最も重要なのです。
Aさんの価値観と転職理由
Aさんが転職を考えた理由は、「自分らしく働ける環境を求めて」でした。
前職では、組織の規模やルールに縛られ、自分の意見が通りにくい状況にストレスを感じていたそうです。
そのため、転職先には以下のような希望を持っていました。
- 少人数で風通しの良い職場
- 自分の裁量が大きく、意見を反映しやすい環境
- 地元で腰を据えて働ける安定性
- 人間関係が穏やかで、長く働ける職場
この希望を踏まえると、C社の方が明らかにマッチしていました。
実際、面接や職場見学を通じて、社員の雰囲気や社長の考え方にも強く共感されたようです。
「ネイムバリュー」に惑わされない選択
それでも、B社の魅力は捨てがたいものがありました。
誰もが知っている企業で働くことは、ある種の安心感や誇りをもたらします。
また、綺麗なオフィスは、日々のモチベーションにも影響するかもしれません。
このような「ネイムバリュー」や「見た目の良さ」は、確かに魅力的です。
しかし、それが自分の働き方や価値観と合っていなければ、
いずれ違和感や不満につながる可能性もあります。
転職は、「他人にどう見られるか」ではなく、
**「自分がどう感じるか」「どう生きたいか」で選ぶべきもの**なのです。
正解は「選んだ後」に作るもの
転職において、どちらの企業を選ぶべきかという問いに、絶対的な正解はありません。
どちらを選んでも、良いこともあれば、課題もある。
そして、どちらを選んでも、「あっちにしておけば…」という思いは、ふとした瞬間に湧いてくるものです。
だからこそ、重要なのは──
**「選んだことを正解にする努力」**です。
自分で選んだ道だからこそ、
その選択に責任を持ち、
その環境でベストを尽くすことで、
「この選択は間違っていなかった」と思える日がやってきます。
私たちの役割──選択のための「要素」を提供する
転職コンサルタントとして、私たちの役割は、
「どちらが正解か」を決めることではありません。
むしろ、「選択のための材料」を提供することです。
- 企業の文化や価値観
- 社員の雰囲気
- 経営者の考え方
- 実際の働き方や裁量の範囲
- 将来性や安定性
こうした情報を、できる限り具体的にお伝えし、
求職者の方が「自分の価値観に照らして判断できる」ようにサポートする。
それが、私たちの使命だと考えています。
Aさんの選択──C社を選び、自分らしく働く道へ
最終的に、AさんはC社を選ばれました。
古い社屋や知名度の低さよりも、
「自分らしく働ける環境」を優先されたのです。
私は、その選択に心から賛成しています。
そして、Aさんがその選択を「正解」にしていく姿を、これからも応援していきたいと思います。
最後に──転職は「自分の人生を選ぶこと」
転職は、単なる仕事探しではありません。
それは、**自分の人生をどう生きるかを選ぶこと**です。
見た目の良さや世間体に惑わされず、
自分の価値観に正直に、
自分が納得できる選択をすること。
そして、その選択を「正解」にしていく努力を続けること。
それが、転職における最も大切な姿勢だと、私は思います。
ではまた。
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