職務経歴書を書く時には、アクションワードを使う──「行動」と「成果」で魅力を伝える技術

職務経歴書を書く時には、アクションワードを使う──「行動」と「成果」で魅力を伝える技術
職務経歴書は、書類選考の中で最も重要な書類です。履歴書が「誰か」を伝えるプロフィールだとすれば、職務経歴書は「何をしてきたか」「何ができるか」を伝える実績の証。企業が「この人に会ってみたい」「話を聞いてみたい」と思うかどうかは、この一枚にかかっていると言っても過言ではありません。
前回のコラムでは、職務経歴書作成の原理原則をお伝えしました。今回はその続編として、職務経歴書の中身をより魅力的に、より具体的に伝えるための技術──「アクションワード(Action Word)」の活用について掘り下げていきます。
なぜアクションワードが重要なのか?
職務経歴書において、単なる業務内容の羅列では、あなたの魅力は伝わりません。
たとえば「営業職として顧客対応を担当」と書かれていても、それがどれほどの成果を生んだのか、どんな工夫をしたのか、どんなスキルがあるのかは読み手には伝わりません。
そこで活用したいのが「アクションワード」です。これは、あなたが業務の中でどんな行動を起こし、どんな結果を生み出したのかを具体的に表す言葉です。
アクションワードを使うことで、あなたの職務経歴書は「説明」から「説得」へと変わります。読み手に「この人は実際に動いて成果を出してきた人だ」と印象づけることができるのです。
〈行動〉を表す言葉の例
以下は、職務経歴書で使える代表的なアクションワードの一部です:
- アドバイスした/インタビューした/サポートした/テストした/モニターした
- リードした/育成した/引き受けた/開発した/監査した/監督した/管理した
- 簡素化した/教えた/訓練した/計画した/決定した/研究した/見つけた
- 交渉した/工夫した/構成した/再設計した/作成した/始めた/指導した
- 実行した/準備した/処理した/設計した/設立した/提案した/提供した
- 編集した/補助した/予測した/立証した
これらの言葉を使うことで、あなたの「行動」が明確になります。たとえば「新規顧客開拓を担当」ではなく「新規顧客開拓を計画し、提案資料を作成、交渉を経て契約を獲得した」と書けば、あなたの実力がより具体的に伝わります。
〈成果〉を表す言葉の例
行動だけでなく、その成果も重要です。以下は成果を表す言葉の例です:
- 売り上げた/活性化させた/安全にした/維持した/引き寄せた/影響を及ぼした
- 加速させた/解決した/回復させた/開始した/拡大した/完成させた/寄与した
- 強化した/減少した/向上した/広げた/習得した/縮小させた/承認された
- 信頼された/生産した/増加した/促進した/達成した/導入した/得た
- 評価された/役立った/予算に組まれた/容易にした
これらの言葉を使うことで、あなたの「成果」が定量的・定性的に伝わります。たとえば「業務改善を行った」ではなく「業務フローを再構築し、処理時間を30%短縮させた」と書けば、読み手はあなたの貢献度を具体的にイメージできます。
実例:アクションワードの有無による印象の違い
以下に、アクションワードの有無による職務経歴書の記載例を比較してみましょう。
❌アクションワードなし:
「営業職として顧客対応を担当。新規開拓も行った。」
✅アクションワードあり:
「新規顧客開拓を計画し、提案資料を作成。10社にアプローチし、うち3社と契約を締結。既存顧客の課題をヒアリングし、改善策を提案。顧客満足度アンケートで90%以上の評価を獲得。」
→後者の方が、具体的な行動と成果が明確で、読み手に「この人は動ける人だ」と伝わります。
採用担当者の視点から見た「伝わる職務経歴書」とは
採用担当者は、限られた時間の中で数十〜数百枚の書類を読みます。その中で目に留まるのは、「具体性」と「成果」が伝わる職務経歴書です。
彼らが見ているのは、単なる過去の記録ではなく、「この人が自社でどんな価値を生み出してくれるか」という未来の可能性です。
アクションワードを使うことで、あなたの職務経歴書は「過去の説明」から「未来への提案」へと変わります。これは、採用担当者にとって非常に魅力的な情報です。
100人いれば100通りの職務経歴書がある
職務経歴書に「正解」はありません。業種・職種・経験・志望動機──すべてが異なるからです。
だからこそ、原則を理解したうえで、自分に合った表現を選ぶことが大切です。そして、可能であれば第三者に添削を依頼することも有効です。自分では気づかない言葉の曖昧さや、伝わりづらさを客観的に指摘してもらえるからです。
特に、転職コンサルタントや転職支援サービスを活用することで、より精度の高い職務経歴書に仕上げることができます。
最後に──言葉はあなたの「行動」と「成果」を映す鏡
職務経歴書は、あなたの過去を語るだけでなく、未来を提示する書類です。アクションワードを使うことで、あなたの行動力、思考力、成果がより鮮明に伝わります。
「何をしたか」ではなく、「どう動いたか」「何を生み出したか」。その違いが、書類選考の通過率を大きく左右します。
ぜひ、次回職務経歴書を作成する際には、アクションワードを意識してみてください。あなたの魅力が、より力強く、より具体的に、読み手に届くはずです。
ではまた。
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