同じ企業の求人なのに、紹介会社ごとに内容が違うのはなぜ?

**同じ企業の求人なのに、紹介会社ごとに内容が違うのはなぜ?
──事実は一つでも、解釈は百通りあるという話**
転職紹介コンサルタントの川根です。
今日は、求職者の方からよくいただく質問の中でも、特に誤解が生まれやすいテーマについてお話しします。
**「同じ企業の同じ職種の求人なのに、紹介会社によって内容が違うのはなぜですか?」**
これは、転職活動をしているとほぼ確実に遭遇する現象です。
求人サイトにも出ているし、ハローワークにもあるし、A社の紹介会社からもB社の紹介会社からも提案される。
しかし、よく見ると給与条件や求める人物像、仕事内容の書き方が微妙に違う。
「え、これってどれが本当なの?」
「どれかが嘘をついているの?」
「企業が情報をバラバラに出しているの?」
そう思う方も多いのですが、実はこれは**転職市場では“よくあること”**です。
そして、その背景には「求人票は“事実”ではなく“解釈”が混ざる」という構造があります。
**1. 求人票は“事実”だけでできているわけではない**
求人票というのは、企業が「こういう人を採用したい」と考えて作るものですが、
実際には **“事実”と“解釈”が混ざった情報の集合体** です。
- 事実:給与レンジ、勤務地、勤務時間、必要資格など
- 解釈:求める人物像、経験の深さ、優先順位、採用背景のニュアンス
この“解釈”の部分が、紹介会社によって大きく変わります。
なぜか。
それは、紹介会社が企業からどれだけ深く情報を引き出せているか、
どれだけ企業の本音を理解しているか、
どれだけ担当者と信頼関係を築けているかで、
**求人の「解像度」がまったく違うものになるからです。**
**2. ハローワークの求人は“最も表面的”になりやすい**
例として、あなたが挙げていたケースを少し深掘りしましょう。
ハローワークの求人票に
**「給与:18万〜30万」**
と書かれていたとします。
しかし企業に直接聞いてみると、実際にはこういう本音がある。
- 本当は即戦力の経験者が欲しい
- 経験者なら25〜30万円を想定
- ただし応募が来なければ未経験も検討する
- その場合は18万円スタートになる
- だから幅広く「18〜30万」と書いておく
これは企業としては合理的な判断です。
しかし、求職者からすると「幅広すぎて意味がわからない」と感じる。
そして、ハローワークは企業が提出した情報をそのまま載せるため、
**“企業の本音”までは反映されない** のが普通です。
**3. 紹介会社によって求人内容が違う理由**
では、なぜ紹介会社ごとに求人票が違うのか。
理由は大きく分けて3つあります。
**① 企業から聞き出せている情報量が違う**
紹介会社Aは企業と深く話し込み、
「本当は経験者が欲しい」「給与は25〜30万が現実的」
という情報を得ている。
紹介会社Bは表面的なヒアリングしかしておらず、
「給与は18〜30万です」とだけ聞いている。
この時点で、求人票の内容はまったく違うものになります。
**② 担当者の“解釈力”が違う**
求人票は、企業の言葉をそのまま書いているようで、
実は担当者の“翻訳”が入っています。
- 企業が「コミュニケーション能力が必要」と言った
→ A社は「顧客折衝が多い」と解釈
→ B社は「社内調整が多い」と解釈
- 企業が「主体性のある人」と言った
→ A社は「自走できる人材」と表現
→ B社は「指示待ちでない人」と表現
同じ言葉でも、担当者の経験値や理解度で表現が変わる。
これが求人票の“揺らぎ”を生むのです。
**③ 求職者に合わせて“見せ方”を変えている**
紹介会社は、求職者の経験や希望に合わせて
求人のどの部分を強調するかを変えます。
- 経験者には「裁量の大きさ」「給与の上限」を強調
- 未経験者には「教育体制」「成長機会」を強調
- ワークライフバランス重視の人には「残業の少なさ」を強調
つまり、**同じ求人でも“どこを切り取るか”で印象が変わる** のです。
**4. 求人票の違いに惑わされないために必要な視点**
では、求職者はどうすればいいのか。
答えはシンプルです。
**求人票を“絶対的な事実”として受け取らないこと。**
求人票はあくまで“情報の一部”であり、
企業の本音や実態はその裏側にあります。
そのため、以下の視点を持つことが重要です。
**① 求人票は「企業の意図」と「紹介会社の解釈」の混合物**
だからこそ、複数の求人票を見比べることに意味があります。
違いがあるほど、企業の本音が浮かび上がってくる。
**② 紹介会社の担当者に“深掘り質問”をする**
- この求人の給与幅はどういう理由で設定されていますか
- 企業はどんな人を最優先で採用したいと考えていますか
- 採用背景は何ですか
- 過去にどんな人が採用されましたか
- 企業が特に重視しているポイントはどこですか
こうした質問に答えられる担当者は、
企業と深くコミュニケーションを取っている証拠です。
**③ 求人票の“違い”はむしろチャンス**
求人票が違うということは、
**どこかに“本音”が隠れている** ということ。
複数の情報を組み合わせることで、
企業の採用意図がより立体的に見えてきます。
**5. 求人票の“解釈”を理解できる人は転職がうまくいく**
転職活動は、情報戦です。
そして、求人票は“情報の入り口”にすぎません。
求人票をそのまま信じる人は、
企業の本音を見落としがちです。
一方で、
**「事実は一つでも、解釈は百通りある」**
という前提を理解している人は、
求人票の裏側にある“採用の意図”を読み取れるようになります。
これは、転職成功者に共通する力です。
**6. 最後に──求人票は“地図”であって“現地”ではない**
求人票は、目的地へ向かうための地図のようなものです。
しかし、地図だけでは現地の空気感や細かな道の状態まではわからない。
だからこそ、
- 紹介会社の担当者に質問する
- 複数の情報源を比較する
- 自分の目で確かめる(面接で質問する)
こうした行動が大切になります。
求人票の違いに不安を感じる必要はありません。
むしろ、違いがあるからこそ、
あなたはより深く企業を理解できる。
転職は、情報をどう解釈し、どう判断するかの連続です。
その第一歩として、求人票の“揺らぎ”を味方にしてみてください。
ではまた
参考求人情報:https://kaikeijob.com/#job
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【川根博のプロフィール】
人材業界で約15年経験後、株式会社パブス設立。 これまで、1000人以上の転職希望者と面談し転職をサポートしてきました。 現在は、転職エージェントとして地元企業や地元税理士事務所への転職支援を行いながら、地元中小企業の経営サポートや、スモールビジネスの起業サポート等、多岐にわたって活躍中。
・株式会社パブス HP▼ https://www.pabs.jp/
・会計job HP▼ https://kaikeijob.com/

