内定が出た時には、必ず雇用条件通知書を頂きます

「雇用条件通知書はもらいましたか?」──転職成功のために、必ず確認してほしいこと

転職活動をされている方にとって、内定をもらう瞬間は、努力が報われた喜びと、未来への期待が入り混じる特別な時間です。ですが、その感情の高まりの中で、見落とされがちな大切なポイントがあります。

それが──**雇用条件通知書の確認**です。

先日も、こんなご相談がありました。

> 「入社後、条件面で聞いていた話と違っていて…転職を考えています。」

こうしたケースで来社される方のほとんどが、**雇用条件通知書をもらっていない**のです。

雇用条件通知書とは何か?──法律で定められた「書面での約束」

雇用条件通知書とは、企業が労働者に対して、雇用に関する条件を**書面で通知する義務**を果たすための文書です。

これは単なる慣習ではなく、**労働基準法第15条**で明確に定められています。

> 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

つまり、口頭で「月給は◯万円です」「残業はほとんどありません」と言われただけでは、法的には不十分なのです。書面での通知があって初めて、労働条件が正式に「約束された」と言えるのです。

なぜ書面が必要なのか?──問題が起こったときに、あなたを守る盾になる

「条件面で聞いていた話と違う」と感じたとき、何を根拠に企業と話し合えばよいでしょうか?

口頭のやり取りだけでは、証拠が残りません。記憶の違いや認識のズレがあっても、証明する手段がないのです。

一方、雇用条件通知書があれば、そこに記載された内容をもとに、冷静かつ客観的に話し合うことができます。場合によっては、労働局や弁護士など第三者に相談する際の重要な資料にもなります。

つまり、書面は「問題が起こらなければ必要ない」ものではなく、**問題が起こったときに必要になる**ものなのです。

入社後では遅い──内定時に必ず確認を

「入社してから条件通知書をもらえばいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、入社後に「書面をください」と言うのは、心理的にも言い出しにくくなります。すでに職場に馴染み始めていたり、上司との関係を気にしたりして、言葉を飲み込んでしまう方が多いのです。

だからこそ、**内定をもらったタイミングで「書面でいただけますか?」と確認することが重要**です。

この一言で、あなたの転職はより安心で、納得感のあるものになります。

ほとんどの企業は快く出してくれる──出し渋る企業には注意を

実際には、雇用条件通知書を求めれば、**ほとんどの企業が快く出してくれます**。それが法的義務であることを理解している企業であれば、当然の対応です。

しかし、まれに「今はまだ出せません」「口頭で説明したので問題ありません」といった対応をする企業もあります。

こうした企業には、注意が必要です。

もちろん、単なる手続きの遅れや担当者の認識不足という場合もありますが、**意図的に曖昧なまま進めようとしている可能性もゼロではありません**。

条件面でのトラブルは、入社後のモチベーションや信頼関係に大きく影響します。だからこそ、内定時にしっかりと確認し、納得できる形で進めることが、転職成功の鍵となるのです。

雇用条件通知書に記載されるべき主な項目

では、雇用条件通知書にはどんな内容が記載されているべきなのでしょうか?以下が主な項目です:

- 雇用形態(正社員、契約社員、パートなど)
- 勤務地
- 業務内容
- 就業時間・休憩時間・休日
- 賃金(基本給、手当、賞与など)
- 残業の有無と割増賃金の取り扱い
- 契約期間(有期の場合)
- 試用期間の有無とその条件
- 社会保険の加入状況
- 退職に関する事項(解雇、自己都合退職など)

これらが明記されていることで、入社後の「聞いていた話と違う」という事態を防ぐことができます。

転職活動の中で、確認すべき「信頼のサイン」

転職活動では、企業とのやり取りの中で、さまざまな「信頼のサイン」を見極める必要があります。

- 面談時の対応が誠実か
- 質問に対して明確な回答があるか
- 条件面の説明が具体的か
- 書面での提示をスムーズに行ってくれるか

これらはすべて、企業があなたを「対等なパートナー」として迎えようとしているかどうかの指標になります。

雇用条件通知書の提示は、その中でも特に重要なポイントです。**書面で誠実に約束を交わすことができる企業こそ、信頼に足る企業**だと言えるでしょう。

最後に──「書面でください」は、あなたの未来を守る言葉

転職は、人生の大きな選択です。だからこそ、安心して新しい一歩を踏み出すために、**確認すべきことは確認する勇気**が必要です。

「書面でいただけますか?」

この一言は、決して失礼ではありません。むしろ、**自分の人生を大切にするための、誠実な姿勢**です。

そして、誠実な姿勢には、誠実な企業が応えてくれます。

転職活動をされている皆さんへ──
内定をもらったら、必ず雇用条件通知書を確認しましょう。
それが、あなたの未来を守る第一歩です。

ではまた。

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