カハヴィタウコ≒珈琲タイムは、テレワークで特に必要だと思います

☕カハヴィタウコ──フィンランド式「コーヒー休憩」が生む、働き方の新しい価値
「カハヴィタウトって何のことやら、わかりませんでした。」
そんな一言から始まったこの話題。実はこれ、フィンランド語で「コーヒー休憩」を意味する言葉です。
カハヴィ(kahvi)が「コーヒー」、タウコ(tauko)が「休憩」。つまり、カハヴィタウコとは「コーヒーブレイク」のこと。
「じゃあ、コーヒー休憩やコーヒーブレイクでいいじゃん」と思われるかもしれませんが、実はこのカハヴィタウコ、ただの休憩ではありません。
フィンランドでは、なんとこのコーヒー休憩が**法律で保障された権利**なのです。
🇫🇮フィンランドのカハヴィタウコ制度とは?
フィンランドの労働法では、コーヒー休憩が明確に定められています。具体的には以下のようなルールがあります:
- 労働時間が**4時間以下**の場合:コーヒー休憩なし
- 労働時間が**4〜6時間**の場合:コーヒー休憩1回
- 労働時間が**6時間以上**の場合:コーヒー休憩2回
1回あたりの休憩時間は**15〜20分程度**とされており、これは単なる「一息つく時間」ではなく、**社会的・文化的に重要な時間**として位置づけられています。
さらに驚くべきは、「雇用主はその被雇用者の保有する珈琲を摂取する権利を剥奪することは許されない」という文言まであること。
つまり、コーヒーを飲む権利は、労働者の基本的な権利として守られているのです。
☕コーヒー休憩が文化になる理由
フィンランドでは、コーヒーの消費量が世界トップクラス。1人あたりの年間消費量は約10kgとも言われており、これは日本の約3倍以上。
寒い気候の中で、温かい飲み物を囲みながら人と語らう時間は、生活の一部であり、文化そのものなのです。
カハヴィタウコは、単なる「休憩」ではなく、**人と人とのつながりを育む時間**。
職場では、上司と部下、部署を越えた同僚同士が、コーヒー片手に雑談を交わすことで、信頼関係が築かれ、チームワークが強化されていきます。
🏢日本の職場文化との違い
一方、日本では「休憩=サボり」というイメージが根強く残っています。
特にオフィスでは、席を離れることに罪悪感を覚える人も少なくありません。
コーヒーを飲む時間も、個人の裁量に任されていることが多く、制度として保障されているわけではありません。
また、近年のリモートワークの普及により、**雑談の機会が激減**しています。
オンライン会議は目的が明確で、余計な話をする時間がない。
効率は上がったかもしれませんが、**人間関係の温度感**は確実に下がっています。
💡雑談が生む価値とは?
雑談は、単なる無駄話ではありません。むしろ、**創造性の源泉**とも言える重要なコミュニケーションです。
- 何気ない会話から、アイデアが生まれる
- 他部署の情報を知ることで、連携が生まれる
- 感情の共有によって、信頼が深まる
こうした「偶発的な価値」は、計画的な業務ではなかなか得られません。だからこそ、意図的に「雑談の場」を設けることが、組織の活性化につながるのです。
🕒カハヴィタウコを日本で取り入れるなら?
では、日本でもこのフィンランド式コーヒー休憩を取り入れることは可能なのでしょうか?
私は、十分に可能だと思います。むしろ、今の日本の働き方にこそ必要な制度ではないでしょうか。
たとえば、**毎日15:30〜15:50の20分間**を「カハヴィタウコタイム」として設定する。
オンラインでもOK。ZoomやTeamsなどのツールを使って、部署を越えたメンバーが集まり、コーヒーを片手に雑談を交わす。
この時間は、業務報告や議論の場ではなく、**あくまで雑談の場**。趣味の話、週末の予定、最近読んだ本、好きな音楽など、自由に話すことで、心理的な距離が縮まり、チームの一体感が生まれます。
🌱働き方改革との親和性
日本では「働き方改革」が叫ばれて久しいですが、実際には「残業削減」や「有給取得率の向上」など、数字で測れる部分に偏りがちです。
しかし、本当に必要なのは、**働く人の心の健康と、職場の人間関係の質を高めること**。
そのためには、制度だけでなく、文化として「休むこと」「語らうこと」を肯定する風土が必要です。
カハヴィタウコは、まさにその象徴です。
休憩を制度化することで、働く人の心理的安全性を高め、創造性や協働性を引き出す。
これは、単なる休憩ではなく、**戦略的な組織づくりの一環**なのです。
🧭実践への第一歩
もちろん、いきなり制度化するのは難しいかもしれません。まずは、**小さな試みから始めること**が大切です。
- 毎週金曜日だけ、15分の雑談タイムを設けてみる
- チーム内で「コーヒー部」を作ってみる
- オンラインで「雑談ルーム」を常設してみる
こうした取り組みが、やがて組織文化として根づいていけば、自然と「カハヴィタウコ的な時間」が生まれていくはずです。
✨まとめ──休憩は、働く力を育てる時間
フィンランドのカハヴィタウコは、単なる休憩ではありません。
働く人の心を守り、つながりを育て、創造性を引き出すための、大切な文化です。
日本でも、働き方が多様化する中で、こうした「人間らしい時間」を意識的に取り入れることが、これからの組織づくりに欠かせない要素になるでしょう。
コーヒーを片手に、少しだけ仕事から離れてみる。そんな時間が、あなたの職場に新しい風を吹き込むかもしれません。
ではまた。
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