「速い」よりも「早い」が有効です

「速い」よりも「早い」が有効です

―時間との向き合い方を変える、シンプルで本質的な習慣―

はじめに:「はやい」には2種類ある

「はやい」には、二つの漢字があります。
**「速い」=speed(速度)**
**「早い」=start(開始時間)**

似ているようで、意味はまったく違います。
私が重視しているのは、断然「早い」です。

もちろん、速度も、遅いより速い方がいいとは思います。
しかし、例えば30分「速く」するよりも、30分「早く」する方が、
**確実で、質的にも良いものができる**と考えています。

しかも、「早くする」ことは、やろうと思えば誰でもできます。
スキルや経験に関係なく、意志と仕組みさえあれば、すぐにでも始められる。
だからこそ、「早さ」は最もシンプルで、最も本質的な差別化戦略になるのです。

「速い」と「早い」の違いを具体例で見る

| 状況 | 「速く」する | 「早く」する |
|------|---------------|---------------|
| 仕事を1時間短縮 | スピードを上げて処理 | 朝1時間早く始める |
| 締切に間に合わせる | 急いで仕上げる | 締切の1日前に提出する |
| 待ち合わせに遅れない | 急いで移動する | 30分前に到着して準備する |
| 通勤で遅れない | 渋滞を避けて速く走る | 1時間早く家を出る |

どれも、「速くする」より「早くする」方が、
**確実で、安心で、質が高く、しかも再現性があります。**

「早さ」がもたらす5つのメリット

| 観点 | 速い(Speed) | 早い(Start) |
|------|----------------|----------------|
| 精度 | 焦りやミスが出やすい | 見直し・改善の余裕がある |
| 再現性 | スキル依存 | 習慣化しやすい |
| 安心感 | 常にプレッシャー | 心に余裕が生まれる |
| 成果の質 | ギリギリで妥協しがち | 創造性や完成度が高まる |
| 他者への影響 | 周囲を巻き込みやすい | 周囲に信頼と安心を与える |

「早さ」は、単なる時間の前倒しではありません。
それは、**余裕を生み、質を高め、信頼を築く「仕組み」**なのです。

「早くする」ための仕組みづくり

「早くする」ことは、根性論ではありません。
意志と仕組みで、誰でも実現できます。
以下に、私が実践している「早さの仕組み」を紹介します。

① 前倒しルールの設定

- 締切=提出日ではなく、「提出+1日」を締切とする
- 例:金曜締切 → 木曜提出 → 水曜完成 → 火曜ドラフト

② 朝一番に重要タスクを配置

- 午前中は集中力が高く、邪魔も入りにくい
- 「早く始める」ことで「速く終わる」ことにもつながる

③ バッファ時間の設計

- 予定には常に30分〜1時間の余白を入れる
- 「早く着く」「早く終える」ことで次の行動にも余裕が生まれる

④ 「早くやると得する」体験の積み重ね

- 早期提出でフィードバックがもらえる
- 朝の静かな時間に集中できる
- 早く終わると気持ちが軽くなる

⑤ 「早さ」を可視化するツールの活用

- 逆算カレンダー
- ToDoの開始時刻設定
- 前日準備リスト

「早く始める」ことが見える化されると、行動が変わります。

「早さ」は信頼を生む

「早くやる人」は、周囲から信頼されます。
なぜなら、余裕があるから、対応力があるから、そして何より**安心感**があるからです。

- 早く提出する人には、フィードバックを返しやすい
- 早く来る人には、任せやすい
- 早く準備する人には、相談しやすい

つまり、「早さ」は、**信頼の土台**になるのです。
これは、個人だけでなく、チームやサービスにも当てはまります。

おわりに:誰でもできる差別化戦略

「速さ」はスキル、「早さ」は仕組み。
だからこそ、「早さ」は誰でもできる。
そして、「早さ」は質を高め、信頼を生み、再現性がある。

この「早さの哲学」は、働き方だけでなく、生き方にも通じるものだと思います。
次回は、「早さが生む信頼」や「早さがチームに与える影響」についても、掘り下げてみたいと思います。

ではまた。

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