転職は、スキルのマッチングだけでなく、「相性」も大切です

転職活動において、企業が求めるスキルや経験を持っているかどうかは、もちろん重要な要素です。
しかし、それだけでは十分ではありません。実際の現場では、「相性」が結果を左右することが少なくありません。
今回は、そんな「相性」が決め手となった、ある転職成功事例をご紹介します。
内定を勝ち取ったAさんの物語
先日、弊社を通じて転職活動をされていたAさんが、無事に内定を獲得されました。
条件面も双方納得のうえでまとまり、晴れて新しい職場でのスタートを切ることが決定しました。
まずは、心から「おめでとうございます」と申し上げたいと思います。
しかし、この結果に至るまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
Aさんは、某大手人材紹介会社を通じて複数の企業を紹介されていました。
年齢も経験も申し分なく、履歴書や職務経歴書の内容も非常に充実しており、紹介会社側もかなり力を入れてサポートしていたようです。
ところが、面接に進んでも、なぜか結果はNGの連続。
書類選考は通るのに、面接で落ちてしまう。
企業側からのフィードバックも、「スキルは十分だが、社風に合わないかもしれない」「少し印象が強すぎる」といった曖昧なものばかり。
紹介会社からの連絡も次第に減っていき、ついには「他の紹介会社も使ってみてはいかがですか」と言われてしまったそうです。
そんな折、Aさんは弊社に相談に来られました。
「相性」がすべてを変えた
Aさんと初めてお会いしたとき、確かに印象は強めでした。
明るく、エネルギッシュで、自己主張もはっきりしているタイプ。
一般的には「キャラが立っている」と言われるような方です。
ただ、これは決して悪いことではありません。
むしろ、そうした個性が活きる職場もたくさんあります。
問題は、これまで紹介されていた企業が、比較的おとなしい社風のところばかりだったという点です。
土地柄もあり、控えめで協調性を重視するタイプの人材が好まれる傾向が強く、Aさんのような個性派は「浮いてしまう」と判断されていたのかもしれません。
そこで弊社では、あえて「少しクセのある社長さん」が経営する企業にAさんをご紹介しました。
社長自身も個性的で、型にはまらない人材を好むタイプ。
Aさんには、直接社長と話していただく機会を設けました。
結果は、見事にマッチング。
社長はAさんの人柄と考え方に強く共感し、「うちにはこういう人が必要なんだよ」と即決。
条件面の調整もスムーズに進み、無事に内定が決まりました。
転職は「人」がすべて
このエピソードから改めて感じるのは、転職活動において「紙」だけでは伝わらない部分がいかに大きいかということです。
履歴書や職務経歴書は、あくまで過去の実績やスキルを示すもの。
そこに書かれていない「人柄」や「価値観」、「空気感」といった要素こそが、実際の職場での適応力や活躍度に直結するのです。
企業側も、スキルだけで人材を選ぶ時代から、「カルチャーフィット」や「チームとの相性」を重視する時代へと移行しています。
特に中小企業やベンチャー企業では、少人数のチームで密に働くことが多いため、相性の良し悪しが業務の効率や職場の雰囲気に大きく影響します。
人材紹介の本質とは
人材紹介業界では、紹介件数や登録者数の多さが注目されがちですが、実際に求められているのは「クオリティの高い提案」です。
単に求人票を並べて「選んでください」というスタイルでは、真のマッチングは生まれません。
転職コンサルタントには、求職者の本質を見抜く力、企業の文化や価値観を理解する力、そして両者をつなぐ「橋渡し役」としてのコミュニケーション力が求められます。
Aさんのように、書類では伝わらない魅力を引き出し、それを理解してくれる企業に届けることこそが、私たちの使命です。
今は、AIやデータベースを活用したマッチングが進んでいますが、最後に決め手となるのは「人の目」と「人の心」です。
だからこそ、この時代は、転職コンサルタントの力が試される時代でもあります。
そう考えると、案外悪くない時代なのかもしれません。
コンサルタントの役割──人と企業の間に立つ「翻訳者」
私たち転職コンサルタントの役割は、単なる求人紹介ではありません。
求職者と企業の間に立ち、互いの「言葉にならない部分」を翻訳することが大切です。
• 面談の工夫:Aさんとの面談では、過去の経験だけでなく「どんな職場で心地よく働けるか」「どんな人と相性が良いか」といった価値観を丁寧に掘り下げました。
• 企業への紹介文:履歴書だけでは伝わらないAさんの人柄や考え方を、紹介文に込めて企業に伝えました。
結果として、社長は「この人に会ってみたい」と感じてくださいました。
このように、コンサルタントは「相性の橋渡し役」として、表面化しづらい部分を丁寧にすくい上げる存在だと考えています。
読者へのアドバイス──「相性」を見極める転職活動
転職活動において、「相性」は偶然ではなく、意識して見極めるべきものです。
以下のポイントを意識することで、より良い出会いにつながります。
• 自分の価値観を言語化する:「どんな働き方が心地よいか」「どんな人と信頼関係を築けるか」を言葉にしてみましょう。これが面談での軸になります。
• 企業の文化を感じ取る:面談では、社長や担当者の話し方、職場の雰囲気、社員の表情などから、企業の空気感を読み取ることが大切です。
• 違和感を大事にする:面談中に「なんとなく合わないかも」と感じたら、その直感を無視しないようにしましょう。
逆に「話しやすい」「安心できる」と感じたら、それは大きなサインです。
最後に
転職活動は、人生の大きな転機です。
だからこそ、焦らず、妥協せず、自分に合った職場を見つけてほしいと思います。
スキルや経験はもちろん大切ですが、それ以上に「自分らしく働ける環境」を見つけることが、長期的な満足度やキャリアの充実につながります。
そして、そんな「良き相性」に巡り合うためには、信頼できるパートナーの存在が欠かせません。
私たち人材紹介会社は、単なる求人の仲介者ではなく、人生の伴走者として、皆さんの可能性を広げるお手伝いをしたいと考えています。
どうか、あなたにも「良き相性」に巡り合っていただけますように。
ではまた。
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