履歴書・職務経歴書は内容でスキルが分かり、書き方で人間性が分かります

転職活動において、履歴書や職務経歴書は単なる「書類」ではありません。それは、あなたという人間をまだ知らない誰かに向けて、自分自身を伝える“最初の対話”です。
スキルや経験はもちろん大切ですが、実は「書き方」そのものに、あなたの人間性がにじみ出る。今回は、履歴書・職務経歴書における“人柄の伝え方”について、実例とともに深掘りしていきます。
📄 書類は「会ったことのないあなた」の代弁者
職務経歴書を読む採用担当者は、あなたとまだ会ったことがありません。つまり、その書面だけが、あなたを知る唯一の手がかりです。
だからこそ、採用担当者は無意識にこう考えます。
「この人は几帳面そうだな」「文章が丁寧で、真面目な印象」「数字の扱いが得意そう」「言葉選びが柔らかくて、おおらかな人かも」
これは、書かれている“内容”だけでなく、“書き方”から感じ取っている印象です。つまり、あなたの人柄は、文体・構成・言葉遣い・余白の使い方など、細部に宿るのです。
✍️「人柄が伝わる書き方」とは?
では、どのような書き方が「人柄」を伝えるのでしょうか。以下に、よく見られるタイプ別の特徴を挙げてみます。
・几帳面:箇条書きが整っている/文末が統一されている/誤字脱字がない
・おおらか:柔らかい語尾/余白が多め/エピソードに温かみがある
・真面目:丁寧な敬語/実績よりプロセス重視/反省や学びを記載
・豪快:実績を数字で強調/文章が短く力強い/成果主義的な表現
・数字に強い:KPIや達成率を明記/分析や改善の記述が多い
・積極的:主語が「私」/挑戦や提案の記述が多い/能動的な動詞が多い
・前向き:失敗談に前向きな結び/未来志向の表現/希望や意欲が強調されている
もちろん、これらは一例です。大切なのは、「自分らしさ」が伝わること。無理に“よく見せよう”とするのではなく、“正しく伝える”ことが、結果的に信頼につながります。
🔍 採用担当者は「細部」を見ている
以前、私が書いたブログ記事『経歴書の神は細部に宿ります』でも触れましたが、採用担当者は驚くほど細かい部分まで見ています。
・日付の表記が統一されているか
・会社名や部署名の表記に誤りがないか
・実績の数字に根拠があるか
・語尾が「です・ます」で揃っているか
・改行や余白が読みやすいか
これらは、単なる形式ではなく、「仕事への姿勢」や「相手への配慮」が表れるポイントです。細部にこだわる人は、仕事でも丁寧で信頼されやすい。逆に、雑な印象を与える書類は、「この人に任せて大丈夫かな?」という不安を生むこともあります。
💡 自分らしさを伝える3つの視点
履歴書・職務経歴書を書くときに、自分らしさを伝えるための視点を3つに整理してみましょう。
①「事実」だけでなく「背景」を書く
単に「売上を前年比120%達成」と書くだけでなく、「新規顧客向けの提案資料を刷新し、チームで改善を重ねた結果」といった背景を添えることで、協調性・工夫・努力などの人柄が伝わります。
②「成果」だけでなく「姿勢」を書く
「プロジェクトを成功させた」だけでなく、「初めてのリーダー経験で、メンバーの意見を尊重しながら進めた」といった姿勢を記すことで、人間関係の築き方や価値観が見えてきます。
③「未来」への意欲を添える
過去の経験だけでなく、「今後は○○領域でさらに専門性を高めたい」「人材育成にも関わっていきたい」といった未来志向の言葉を添えることで、前向きさや成長意欲が伝わります。
📚 実例:同じ内容でも印象が変わる
以下は、同じ実績を異なる書き方で表現した例です。
例①:事実のみの記述
営業職として、年間売上1,200万円を達成。
例②:人柄が伝わる記述
営業職として、年間売上1,200万円を達成。顧客の課題を丁寧にヒアリングし、提案内容をカスタマイズすることで、信頼関係を築きながら成果につなげました。
後者の方が、「丁寧」「信頼重視」「顧客志向」といった人柄が伝わります。採用担当者は、こうした“行間”を読み取っているのです。
🧭 書類は「自分を知るツール」でもある
履歴書・職務経歴書を書くことは、単なる作業ではありません。それは、自分自身を見つめ直す時間でもあります。
・自分はどんな価値観で働いてきたか?
・どんな場面で力を発揮してきたか?
・どんな職場で、どんな人と働きたいか?
こうした問いに向き合いながら書くことで、書類は“自分を知るツール”になります。そして、その理解が深まるほど、面接でも自然体で話せるようになります。
✨まとめ──書類はあなたの“人柄の鏡”
履歴書・職務経歴書は、あなたのスキルを伝えるだけでなく、
あなたの人柄・価値観・仕事への姿勢を映し出す“鏡”です。
• 内容でスキルが分かり
• 書き方で人間性が分かる
だからこそ、書く人は「どう見られたいか」ではなく、「どう伝えたいか」を意識することが大切です。
その意識が、読み手の心に届き、面接という次のステップへとつながっていきます。
「経歴書の神は細部に宿る」──この言葉を胸に、あなたらしい一枚を仕上げてみてください。
それは、単なる応募書類ではなく、あなた自身の“仕事観”と“人柄”を伝えるメッセージになります。
転職活動は、人生の節目。
だからこそ、書類一枚にも、あなたの誠実さや思いやりがにじむように。
そして、まだ会ったことのない誰かに、「この人に会ってみたい」と思わせるような、そんな一枚を目指してみてください。
ではまた。
◇キャリアカウンセリングから書類添削、面接対策まで
無料で転職のアドバイスを受けてみませんか?
無料転職登録ページからご連絡いただければと思います。


