転職サイトとは違います。転職紹介会社の使い方2――可能性を「見つける」のではなく、「引き出す」ために**

**転職サイトとは違います。転職紹介会社の使い方
――可能性を「見つける」のではなく、「引き出す」ために**
転職市場を語るとき、多くの人がまず思い浮かべるのは転職サイトだろう。膨大な求人情報が並び、地域・職種・年収・働き方など、あらゆる条件で検索できる。自分の希望に合う求人を“探す”という行為において、転職サイトは非常に優れたツールだ。求人の量とバラエティこそが価値であり、そこに掲載されている案件の中から選ぶことが前提となる。
しかし、転職紹介会社――いわゆる人材紹介会社は、まったく異なる仕組みで動いている。
そして、使い方もまったく違う。
この違いを理解していないと、せっかく紹介会社を利用しても、転職サイトと同じ発想で使ってしまい、本来得られるはずの価値を取り逃してしまう。
本稿では、転職サイトと転職紹介会社の本質的な違い、そして紹介会社を最大限に活かすための視点について、少し深く掘り下げてみたい。
■ 転職サイトは「求人を探す場所」
転職サイトの価値は、何よりも求人の“量”にある。
地域によっては、数百件、数千件の求人が並ぶことも珍しくない。
その中から自分に合うものを選ぶ。
これは、いわば「棚に並んだ商品を選ぶ」行為に近い。
もちろん、量が多ければ多いほど、選択肢は広がる。
そして、求人のバラエティが豊富であれば、思いもよらない職種や働き方に出会える可能性もある。
転職サイトは、まさに“市場”そのものだ。
しかし、転職サイトには限界もある。
それは、掲載されている求人しか選べないという点だ。
棚に並んでいない商品は、どれだけ探しても見つからない。
そして、企業側も「求人票に書ける範囲」でしか情報を出せないため、求職者の可能性を見て「この人ならこういうポジションを作ろう」という柔軟な発想にはなりにくい。
■ 転職紹介会社は「可能性を引き出す場所」
一方、転職紹介会社はまったく違う。
求人の量だけで勝負しているわけではない。
むしろ、紹介会社の価値はコンサルタントの質にこそ宿る。
優秀なコンサルタントは、求職者との面談の中で、
・本人が気づいていない強み
・経験の中に眠る価値
・キャリアの可能性
を丁寧に掘り起こす。
そして、企業との関係性の中で、
「この方なら、御社のこういう課題を解決できるのではないか」
「この経験を活かす新しいポジションを検討できないか」
といった提案を行い、新しい求人を“作ってもらう”ことすら可能にする。
これは、転職サイトでは絶対に起こらない現象だ。
求人票に載っていない“潜在的なニーズ”を顕在化させる。
これこそが、紹介会社の本質的な価値である。
■ 「求人を選ぶ」のではなく、「可能性を広げる」
紹介会社を使うとき、求職者が陥りがちな誤解がある。
それは、紹介会社も転職サイトと同じように、求人票の中から選ぶ場所だと思ってしまうことだ。
もちろん、紹介会社にも既存の求人はある。
しかし、それだけを提案してくる紹介会社であれば、転職サイトと大差はない。
本来の紹介会社の価値は、
“今ある求人”ではなく、“これから作られる求人”を生み出す力
にある。
だからこそ、紹介会社を使うときは、
「求人票を見せてもらう」ことよりも、
「自分の経験や価値を深く理解してもらう」ことのほうが重要だ。
■ コンサルタントの質がすべてを決める
紹介会社の価値がコンサルタントの質に依存するというのは、決して誇張ではない。
優秀なコンサルタントは、
・企業の経営課題
・組織の構造
・地域の産業特性
・求職者のキャリアの本質
を理解したうえで、双方にとって最適なマッチングを創り出す。
特に地方では、企業側も「求人票に書ききれない課題」を抱えていることが多い。
人材不足、後継者問題、業務の属人化、組織の若返り――。
こうした課題に対し、紹介会社のコンサルタントが“提案型”で動くことで、企業は初めて「この人材なら採用したい」という気持ちになる。
つまり、紹介会社とは、
求人を探す場所ではなく、求人を生み出す場所
なのだ。
■ 地域経済にとっての紹介会社の役割
博さんが日々向き合っておられるように、地方の中小企業は、地域経済の土台そのものだ。
しかし、採用力は決して強くない。
求人票を出しても応募が来ない。
そもそも求人票に書けるほど整理された業務がない。
そんな企業も少なくない。
だからこそ、紹介会社の存在は大きい。
企業の潜在的なニーズを掘り起こし、
求職者の可能性を企業に伝え、
双方にとって新しい未来をつくる。
これは、単なる採用支援ではなく、
地域経済の活性化そのものだ。
紹介会社のコンサルタントが一人の求職者の可能性を見出し、
その人が地域企業で活躍する。
その企業が成長し、地域に雇用が生まれる。
その循環をつくることこそ、紹介会社の社会的使命だと言える。
■ まとめ:紹介会社は「求人を探す場所」ではない
転職サイトと紹介会社は、目的も価値もまったく違う。
- 転職サイト
→ 求人の量とバラエティが価値
→ 掲載されている求人から選ぶ場所 - 転職紹介会社
→ コンサルタントの質が価値
→ 求人を“生み出す”ことができる場所
紹介会社を使うときは、求人票を眺める前に、
まずは自分の経験や価値をしっかり伝えることが大切だ。
そして、コンサルタントが企業に働きかけ、
あなたの可能性を形にしてくれることを期待してほしい。
求人を探すのではなく、
可能性を広げる。
そのためのパートナーとして、紹介会社は存在している。
ではまた
◇キャリアカウンセリングから書類添削、面接対策まで
無料で転職のアドバイスを受けてみませんか?
無料転職登録ページからご連絡いただければと思います。
【川根博のプロフィール】
人材業界で約15年経験後、株式会社パブス設立。 これまで、1000人以上の転職希望者と面談し転職をサポートしてきました。 現在は、転職エージェントとして地元企業や地元税理士事務所への転職支援を行いながら、地元中小企業の経営サポートや、スモールビジネスの起業サポート等、多岐にわたって活躍中。
・株式会社パブス HP▼ https://www.pabs.jp/
・会計job HP▼ https://kaikeijob.com/


