全くの異業種への転職チャレンジ

今回、まったくの異業種にチャレンジされた方がおられました。
その方は40代の女性で、長年にわたり金融機関に勤務されてきた方です。
金融業界でのキャリアは20年以上に及び、責任ある立場で業務に従事されてきました。
仕事に対する誠実さと几帳面さ、そして人との信頼関係を大切にされる姿勢が印象的な方でした。
ご家庭の状況としては、大学生のお子さんが県外に進学され、ご主人も単身赴任中で、定年まで家には戻られないとのことでした。
ご自身も趣味が多く、日々忙しく過ごされていましたが、「何かもっとやりがいを持って頑張りたい」という思いが強くなり、人生の新たなステージに挑戦したいと考えるようになったそうです。
そんな折、県外のフランチャイズチェーン菓子店のオーナー募集に関心を持たれました。
「オーナー募集」という形態は、一般的な就職とは異なり、事業主としての責任を伴うものであり、当然ながらリスクも大きくなります。
さらに、店舗が県外にあるため、転居も必要となります。私は初めてその話を伺った際、「これは大きな決断になる」と感じました。
そこで、「オーナー募集なので、就職よりもリスクが大きく、また、県外の店舗のため転居が必要となりますので、よく考えて、家族の方とも相談して応募されるか否かをご判断ください」と率直にお伝えしました。
人物的には非常にマッチする方だと感じていましたが、わざわざリスクを冒してまで挑戦することに対して、自分自身も後押ししてよいのかどうか、正直なところ躊躇がありました。
しかし後日、「家族も賛成してくれたので、チャレンジします」との連絡をいただきました。
その言葉には、迷いのない強い意志と覚悟が感じられました。
再度、事業としてのリスクや生活面での変化について丁寧に説明させていただきましたが、ご本人の意欲は揺らぐことなく、むしろその挑戦に対する情熱がさらに高まっているようでした。
未経験ではあるものの、意欲が非常に高く、人物的にも信頼できる方だと確信し、企業側にご提案させていただきました。
面接では、ご本人の熱意がしっかりと伝わり、企業側も非常に好印象を持ってくださり、即座に内々定をいただくことができました。
ここでもう一度、リスクについてお話をさせていただきました。
事業を始めるということは、想像以上にエネルギーが必要であり、精神的にも体力的にも負担がかかるものです。
しかし、ご本人の気持ちは変わることなく、「やってみたい」「挑戦したい」という強い思いがありましたので、契約に進むこととなりました。
契約に際しては、できるだけリスクを減らせるよう、企業側と交渉を重ねました。
また、試用期間を設けることで、実際の業務に触れながら判断できるようにし、念には念を入れて準備を進めました。
ご本人にも、事業計画や資金面、生活面でのシミュレーションを丁寧に行っていただき、万全の体制でスタートを切ることができました。
そして先日、ついに店舗がオープンしました。
オープン当日は、緊張と期待が入り混じった表情をされていましたが、スタッフとの連携もスムーズで、初日から順調な滑り出しとなったようです。
数日後、ご本人から「毎日必死に頑張っています。楽しいです」との連絡をいただきました。
その言葉には、充実感と達成感がにじみ出ており、私も心から嬉しく思いました。
もちろん、ここで安心しきってはいけません。
事業はスタートが順調でも、継続していくことが何よりも大切です。
特に、初めての業種である以上、慣れないことや予期せぬトラブルもあるかもしれません。
息切れしないように、地道にコツコツと努力を重ねていくことが、成功への鍵となります。
今後も、必要に応じてサポートを続けていく予定です。
ご本人の挑戦が、単なる転職ではなく、人生の新たな一歩として実を結ぶよう、見守っていきたいと思います。
このような形で、人生の転機に関わることができたことに、私自身も深い喜びと責任を感じています。
ではまた。
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